構想、調査と設計

 

 

最近の様子

↑ 八田さんの人形が77人やってきました。船もだいぶ形になってきました。 11月

 

 一度垣立をはずし、剝付を取り付けます。山場を越えた感じでどんどん作業が進んでいきます。
この段階で垣立の仕上げと装飾に入ります。

矢倉周りを取り付けるといよいよ北前船らしい姿が見えてきます。敷居や戸を取り付ける作業は難しそうに見えますが、直線と直角の組合せなので、あっという間に進んでいきます。

ここで、船作りはいったん中断。

10月、完成まであと半年という段階になってきました。
道の駅の展示関係一切を担当し、この北前船ジオラマの展示台を制作していただく丹青社さんと打ち合わせをしました。海面は裏面を着色したアクリル板にします。喫水として想定したレベルの断面を形として海面のアクリル板を切り抜き、船をはめ込むことにしました。それが可能なところまで船の作業を進め、その段階で一度作業を中断することにします。

 ここで、いったんジオラマのベースになる地形を作ることにします。

舞台は古潭の押琴湾です。押琴湾には弁天そりと中瀬という沖に突き出した2本の岩礁があり、天然の防波堤の役割を果たしていました。実際には30艘の北前船が入港できたといわれていますが、コンパクトにまとめます。
右手奥に弁財そりを配置し、その手前に北前船を配置します。そこから中央の岬までの間を港とし、下り荷が降ろされた場所にします。岬の奥、港側に弁天社を配置し、港側から上っていく階段をつけます。
岬の奥側は鰊漁場とし、石垣の上に廊下、木の土留めの上に釜と角胴を配置します。
展示台は奥行き660mm、幅4mで、上に海面の役割を持たせる裏面を着色したアクリル板にします。地形はアクリル板に載せて、接着することにします。海の部分は切り欠きます。材質は、カネライトフォームという断熱材です。素材を切り出し、岬や石垣など高さが必要な部分は重ねて貼り合わせます。岬や石垣、階段などは、空らしい形にカネライトフォームを整形してから、木工ボンドを加えたモルタルを塗り、さらに珪砂や白砂、黒砂を降りかけて質感をだしました。海岸などフラットなところは、同じモルタルを塗って乾かないうちに小石を押し付けて固定しました。
実際に素材を並べてみると、この部分の面積がとても大きいことから、敷き詰める小石の美しさが、ジオラマの仕上がりに大きく影響することがはっきりしてきました。
そこで、思い切って石拾いに行くことにしました。
場所は、十勝大樹町の歴船川です。上流の渓谷部から河口まで、いろいろなバリエーションでカヌーによる川くだりを楽しんできました。国内有数の清流として知られるこの川は、磨かれた川石の美しさも印象に残ります。ジオラマにこの石を使おうと決め、石拾いに行ってきました。帰りに寄った新冠の道の駅で、かわいらしい馬のヌイグルミも入手してきました。
地形を作り始めてから、ジオラマは工房に収まりきらなくなり、居間に進出してしまいました。

しばらくは北前船作りから離れ、船以外でジオラマ関連の作業を進めます。

廊下:浜益のジオラマのときに使った図面で作ります。夏の間は風を通し、冬になると囲ってしまうので、壁の板を取り外せるように作ります。細かな溝やホゾを多用するので、実物で使っている松では、正確な加工ができません。精密な加工が可能な素材として、北米チェリーを使いました。潮焼けした質感にするため、ワトコ・ドリフトウッドで塗装しました。明治中期の想定なので、屋根は柾葺き石置きにしました。ここでも歴船川から拾ってきた石がいい雰囲気を作り出してくれました。

三半船:明治中期という想定なので、鰊船は保津船ではなく三半船を作ることになります。浜益のジオラマでは、石狩湾北部独自といわれる15m級の大型保津船を作りましたが、今回は限られた海面にたくさん浮かべたいので、小さめな11m級で作ることにし、新たに図面を引きました。良く考えると底は海面に沈んでしまい、積み荷のために上からも見ることができないので、合板を使った平底で合理的な作り方にしました。
せっかくちゃんとした図面を引いたので、一艘だけは、底までしっかりした構造で作ることにし、積み荷を降ろして戻ってきた空船という役割にしました。最終的に船梁を見せるために底板をはずし、溜った海水を汲み出すように演出しました。

 

馬車
米を運ぶために、馬車も配置したいと考えました。小さいだけに作りにくく、

角胴
鰊漁場を演出する最重要アイテムは、鰊粕を絞る角胴です。実物は楢材ですが、実は肌目が粗く割列しやすいので、通しホゾ楔止めをこのサイズで作ることは不可能です。やむなく北米チェリーを使いました。
竈 鰊を焚く竈も鰊漁場の重要アイテムです。カネライトフォームで作り、珪砂などをまぶしました。
大釜は型を作ってから、樹脂粘土で作ります。一つ一つ手間のかかる作業になります。

 
***************制作日記 曲線・局面だらけの北前船に悪戦苦闘