濱益鰊場物語

   旧白鳥家漁場の番屋と作業風景

 

石狩湾に面した浜益は、昔から豊漁の漁場でした。地名は「鰊の多いところ」を意味する「マシユキニ」に由来し、浜増毛、浜益と変遷しました。江戸時代から千石場所として続いた地域の繁栄は、昭和30年の鰊途絶により大きな変化を余儀なくされました。
はまます郷土資料館は、特徴的な鰊場建築と収蔵する漁具によって、かつての鰊漁の様子を今日に伝える貴重な施設です。地域では、浜益小学校の子どもたちを支え、かつての鰊漁をしのぶ沖揚げ音頭の伝承にも取り組んでいます。私は浜益小学校に勤務させていただいたご縁から、浜益の鰊漁場の営みを子どもたちに伝える教材とするために、人形作家として有名な浜益在住の八田美津さんの全面的なご協力をいただき、このジオラマを制作いたしました。あわせて、多くの皆様に、浜益で繰りひろげられた鰊場物語を知っていただきたいと思います。

                          石黒隆一(浜益小学校第6代校長)


 

展示場所:石狩市はまます郷土資料館

監修   中村東伍 鰊建網漁経験者 元石狩湾漁協組合長 石狩市功労表彰・漁業振興 
制作   八田美津 人形作家 浜益在住 石狩市教育委員会功労表彰  
     石黒隆一 建物・船・漁具  

     石黒美香子 鰊・生活用具・漁具

 

石狩市はまます郷土資料館    石狩市指定文化財(旧白鳥家番屋)

               
〒061-3101 北海道石狩市浜益区浜益77番地1
電話:0133-79-2402 (閉館期)0133-62-3711 
入館料 300円 (中学生以下無料) 団体(15人以上) 240円
開館時間10時から16時まで
開館期間5月1日から10月31日まで
休館日 毎週火曜日(祝日と重なる場合はその翌日)


 

鰊場のしごと

浜益村茂生 本間漁場の沖揚げ風景(大正時代)

 

前浜の沖揚げ

 

  汲み船が神楽桟(通称ろくろ)によって岸に寄せられ着岸すると、上り下り二枚の歩み板が掛けられます。満載された鰊を廊下または魚坪まで運ぶ仕事が「前浜の沖揚げ」。沖揚げは沖で枠網の鰊を大タモによって汲み船へ汲み上げる作業と、着岸した汲み船から保管場所まで運び出す作業を総称する用語なので、このジオラマで扱う部分は「前浜の沖揚げ」です。
 歩み板が掛けられると「もっこ背負い」(主として女性の臨時雇い)による人海戦術が始まります。次々に乗り込んでくるもっこ背負いを船尾側に腰掛けさせると、若い衆はポンたもで鰊をもっこに入れていきます。豊漁の時や時化が近づいてきた時は、休む暇なく握り飯を食べながらの作業が続きました。賃金は歩合制で、一往復ごとに万棒という札を受け取り、後で清算しました。